~新社会人に読んでほしいちくま文庫たち~
いやー、新社会人の皆様、あなたは今五月病を突破するために、なにか本を読もうとしてるんじゃないですか。そうでしょ、や、わかります。でもね、ビジネス新書?ああゆうの読んでいちゃ同期に差をつけられないですよ。
ここはひとつね。やはり「ちくま文庫」を読むことをお勧めします。
なぜかって、本棚に並べると背表紙がかっこいいからです。王様のブランチで言ってましたが、新潮文庫の3倍、講談社文庫の7倍かっこいいと言われてからね。
ちくま文庫の超かっこいい背表紙にうっとりしながら、仕事にも役立つ本、紹介します。(本気
①「食の職」新宿ベルク 安くて本格的な味の秘密
ベルク知っています?そうです、あの新宿駅東口改札から丸の内乗ろうとすると、あれ、なんかここ雰囲気違う...みたいな一見喫茶店のような立ち飲みバーのような不思議な装い、そうです、そこがベルクです。
全都民に愛されている(ただしビルオーナーは除く?)ベルクの副店長さんが書かれた本です。これはベルク本の第二弾で一冊目は旦那(相方?)の店長さんが書かれてましたね。そちらよりこっちのほうが読みやすいのはベルクに関わる職人さんたちのインタビューが乗っているからかしら。
まあ、読んでみるとね。
働くとはなんだ! テメー、本気でプライドもって働いてんのかテメー!!!
という声がページめくるたびに聞こえてくる、そんな力強い文庫です。
ビールの味の変化を業者に伝えるとき、図形で表す。。。というくだりがあるんですが、それ、もうアートフォームじゃん!って感じでかっこいいんですよね。
やっぱ働くからには、こういうプライドもって働かないとね。続かないよ。。。
おい、ルート営業に文句言って、会社やめてカフェでも開きたいとか言ってるお前!まずはこれを読んで襟をただせ、ブックオフなら100円で転がってるぞ!
②独特老人
いいか、新人、こういう言葉がある。
老人笑うな、行く道だから。子供叱るな、来た道だから。オレはこの言葉を確か。。。火サスかなんかで聞いてガーンと衝撃を受けた高2の夏って感じなんだけど、やっぱ高齢化社会ですよ。街を歩けば、ゾンビのような老人の行列ですよ。でもやっぱりね、リクルートスーツ着たあなたも老人になるわけですよ。となるとね、どういう老人になりたいかモデルケース、もしくはプラトンがいうイデアが必要なわけですよ。で、なりたい老人像に狙いを定めて日々を生きていく。それが2020年代にサヴァイブする我々の必修項目ですよ。
で、この文庫。
ま、簡単に言うとスゲー老人にインタビューしてみたら、やっぱりスゴクてワロスって内容なんですけど、インタビューされている老人は誰か?
水木しげる、山田風太郎、淀川長治、吉本孝明、鶴見俊介、沼昭三エトセトラエトセトラ。
ね、ちょっと。。。あれかな?22才くらいの人にはしげる以外わからないような気もするけど、まあ、昭和の偉人達ですよ。背表紙にこう書かれています。
「老人とは前線であり、前衛である」
え!前衛ってフルクサスみたいなヤツ?ああいうのって若者の特権じゃないの?と思うでしょ。でも、やっぱりね、人生の先頭突っ走ってるのは、老人達なんですよ。
この老人達の力強い言葉がね、文庫中にあふれてます。でもね、どっか哀しい。それはね、ほとんどの方がね、もう亡くなっているの。だからインタビューの言葉にジーンとしてももうその老人はいないんだよね。そういう熱量と哀しさが一体となってる素敵な文庫なんだよ、座して読めよ。ブックオフでも700円くらいするかもしれんが、元が1500円だかららしょうがない。ファミチキ買うのやめて、こっち買おう。そして一人の老人を自分の心の師と決めて、何とか生活をしのいでいきましょうよ。。。
③定食バンザイ!
結局さ、新人の仕事はいかにランチをおいしく食べるか、そこにかかっているわけですよ。だって、それ以外楽しいことないでしょ、会社で。というわけで改めて定食の力強さを認識できる名文庫。読み方によってはプレ‐めしばなタチバナと言える安くておいしそうな定食をこれでもかと紹介してくれます。
まあ、ただアホみたいに吉牛食ってたら、何にもなりゃしませんよ。街の定職屋に入ってね、ああ、ここは家族でやってるんだ、おいちゃんが厨房、おばちゃんがレジ、やあハムエッグ定食なんかがあるぞ、これはキープしておいて本日の焼き魚は何か聞いてみよう、ああ、でもおばちゃん忙しそうだな、なんとかおばちゃんの仕事を楽にしてあげたいな、とか考えながら食べるんだ! そういうやつがリクルートコミュニケーションなんかに入って色んなサービスを生み出していくんだ!こんな風に!
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まあ、たぶん違うけど。あ、最近ブックオフでは見かけないですなあ、この本。